恵方巻でよく聞く恵方。毎年微妙な方角だけど?
恵方って、節分に巻き寿司をその方向に向いて食べると厄除けになるっていう、あの恵方です。
コンビニなどでも「今年の恵方は〇〇〇」などと言って、大々的に恵方巻きを売り出しますし、
主婦の身としてはその日の晩御飯のメニューに悩まなくていいから、私なんかも速攻取り入れました。
けれどそれも ここ20年位の事。
私が子供の頃(ああ、50年前・・)は恵方巻なんて知りませんでした。
節分に巻き寿司を食べる方角は 毎年ちがいますよね。
「今年の恵方は南南東」と聞くと・・
「南南東って、どこなんですか?真南向いて、ちょこっと左に体を回すんですか?南東南とは違うんですか?」
「どうしていつも南とか北ではなく、中途半端な方角なの?」
という疑問を持ちながらも
「でもまあ適当でいいっしょ!」
「とにかくご飯作りがラクだわ~。」
そう思う人も多いかも。
うんうん!それで良いんです。
恵方巻は正直言って ただのイベントですからね。
方位学には関係ありません。
楽しく過ごすのが一番です。
しかし・・・もしかしたらたま~に
「恵方ってなんで毎年変わるの?」「その根拠とか理屈が知りたい!」と言うオタッキーな人がいらっしゃるかも・・
親愛なる「小さな事でも一回思いつくと気になってしょうがない族」に向けて、恵方の出し方の説明をしたいと思います。
恵方って何?恵方の方角の正しい出し方は?
恵方とは歳徳の方角 2024年の恵方は甲
恵方とは歳徳の定位置の方角の事。
歳徳はその年の十干(じっかん)から割り出す吉神で、その年 力を持っています。
例えば2024年は「甲辰九紫火星」と言う年ですが
その「甲(きのえ)」がその年の十干で、歳徳です。
そして 十干には受け持っている方角が有るので 歳徳の定位置の方角が恵方です。
下の図を見て頂けると分かると思いますが、真南とか真北とか、東西南北は十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)の担当ではありません。
その為 毎年の恵方は中途半端な方角になるのです。
ちなみに2024年の恵方は甲であり、東北東やや東と言われますが 角度で表すと
真北を0度として右回りに67.5度~72.5度。
細かくてすみません!
良いんです良いんです!
「東北東やや東」で合ってます!!
【定位図】360度を24区画で割るので1区画は15度ずつ。
真北を0度とするなら子の方は352.5度~7.5度になります。
歳徳を出す前に必要な2つの知識
『〇〇年の十干十二支』で検索するとその年の十干が出てきます。
「なあんだ、甲の年には甲が歳徳か~・・簡単!!」
そう思われたかもしれませんが、
でも!!
その年の十干がそのまま歳徳になるのは2年に一度。
歳徳の出し方はもう少しだけ複雑です。
歳徳を出す為に必要な前知識が有りますので説明しますね。
十干には 陽と陰が有る。
十干の種類は以下の通り。
甲(きのえ・木性)=陽
乙(きのと・木性)=陰
丙(ひのえ・火性)=陽
丁(ひのと・火性)=陰
戊(つちのえ・土性)=陽
己(つちのと・土性)=陰
庚(かのえ・金性)=陽
辛(かのと・金性)=陰
壬(みずのえ・水性)=陽
癸(みずのと・水性)=陰
陽陰陽陰陽陰陽・・・と交互に陽と陰が繰り返されています。
読み方に「え=兄」と付くのが陽干。
読み方に「と=弟」と付くのが陰干です。
歳徳になれるのは陽の十干だけ。つまり甲、丙、戊、庚、壬です。
「じゃあ・・陰の十干の年は歳徳はどうやって決めるの?」
うんうん、そう思いますよね。
十干が「乙丁己辛癸」の年の歳徳の出し方を知るには「歳徳合」という別の吉神について説明する必要が有ります。
歳徳には歳徳合という奥さんが居る。干合の関係
歳徳と歳徳合の関係は「干合(かんごう)」と言います。
干合とは十干の良い相性のこと。
次の5種類の組み合わせです。
甲ー己
乙ー庚
丙ー辛
丁ー壬
戊ー癸
2024年は甲辰三碧と言う年なので「甲」が歳徳。
歳徳合は己です。
歳徳と恵方の出し方
その年の十干が陽干であれば・・・
それがそのまま歳徳となりますから簡単ですね。
2024年のように甲辰三碧の年は甲が歳徳です。
その年の十干が陰干であれば・・・
その十干を歳徳合とし 干合の十干を歳徳とします。
例えば2023年なら癸卯四緑の年ですので 年の十干は癸(みずのと)です。
「癸」は陰干ですので 歳徳合となり
歳徳は癸の干合で有る「戊」になります。
これが歳徳と歳徳合の出し方です。
(『〇〇年の十干十二支』で検索するとその年の十干が出てきます)
恵方はその年の歳徳の定位置の方角なので 歳徳を出せばすぐにわかります。
もう一度【定位図】を貼っておきますね。
【定位図】
歳徳を求める時の例外
・・・と、ここで、
「あれ?歳徳が戊って・・上の図に戊の方角なんて無いじゃん!恵方はどこ?」と こんなふうに気づいたアナタ!鋭いです!!
歳徳を決める場合の例外について説明していきましょう。
十干の中には「戊」「己」と言う 中央を担当する十干が有ります。
中央担当なので方角が有りませんから 十干が戊の年と 癸の年(干合である戊が歳徳になる年)には恵方という方角が無い事になります。
だから戊が歳徳の年は 「ま、恵方は丙を代用しとくか!だって歳徳の方角がないと、恵方巻き食べる時困るじゃん!」と言う事で丙を歳徳としているのです・・・
嘘です。すみません、ちょっとふざけてしまいました。
でも歳徳の方角は毎年欲しいと過去の人達も考えられたのだと思います。
戊 己は土を担当する十干。
土は火から生じる(火生土)ますから
カッコいい言い方で言うと「火土同根(かどどうこん)」
(土が無いなら火でいいよね、だって火なら土を産んでくれるじゃん!・・って感じ)
という考え方に基づき 歳徳が「戊」の時(十干が戊の年と癸の年)には 恵方は火を担当する十干である「丙」にする、という決まりが有るのです。
まとめ
恵方 歳徳 歳徳合の出し方を説明してみましたが いかがでしたか?
歳徳には定位置が有りそれを恵方と言う。
ただし歳徳が戊の年は 恵方は丙とする。
お子さんに「恵方って何?」と聞かれた時に
「その年の守り神 歳徳と言う神様のお家が有る方角だよ」と教えてあげて下さいね。
節分に恵方巻を食べる事は 方位学には関係は無いので、特に開運はしませんけど・・・
皆で恵方巻き食べたなあ~というほのぼのした思い出は やはり家族にとっての宝です。
オマケ:歳徳の本当の使い方について
歳徳は自分の吉方に重ねると 吉をさらにレベルアップさせる事ができます。
歳徳の定位置である恵方と自分の吉方を重ねるだけでなく 別の方法も有ります。
今年の恵方が本当に力のあるものか?そして今年の歳徳神は何月まで使えるのか?
本当はそこを調べる必要が有ります。
それについては複雑になり過ぎるので ここには書けませんが、方位を取る時に工夫の余地はいろいろ有り 吉をどんどん積み重ねていく事ができるのです。。
干支九星の方位の出し方はとても複雑です。
「吉方ではあるけど 最初に凶作用のような灰汁だし期間有り。しかし今月までは吉神がついているし さらに助けを貰える干支も組み合わせるので最終的に発展する。心身ともに健康なら恐れず取りに行きましょう」
などという考え方です。
私はちょっとした旅行や気分を上げる為の吉方ならパパっと出せる九星気学を使いますが、本気で人生を変える為には 干支九星を使った吉方を取ります。
どちらにしても方角には人生を左右する力が有ります。
TPOに合わせて方位を使い より良い毎日、人生にして行けたら良いなと思います。
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