私は電話占い師をしていました。
最初はなかなかリピーターさんも付かず、長時間待機しても1件位しか依頼が無くて、虚しい気持ちがする時期もありました。
その後、いろいろ努力したり工夫したりして、辞めた当時の収入は新卒の大学生の年収くらいでしたから、家でできる仕事としては悪くありませんでした。
しかしどうしても自分の気持ちとそぐわず・・
頑張って手に入れた環境でしたし、喜んで下さったお客様もいらしたけれど、電話占い師を辞めてしまいました。
電話占い師になる為の心構え、電話占い師を続ける為に必要な事について、私が活動していた頃のジレンマと共に書いてみました。
電話占い師になろうかな、又は電話占い師を辞めようかな、と思っている人に読んで頂ければ、と思います。
電話占いを利用するお客様の傾向
私は今は、個人で活動しており、直接お申し込み頂いた人にzoomや対面で鑑定をしております。そして感じた事ですが、直接お申し込み下さったお客様と電話占いを利用するお客様とは違いが有ります。
直接お申し込み頂いたお客様は、「悩みを解決しよう」「人生を作って行こう」という意思を持っている人が多いです。
一方電話占いのお客様は「安心したい!」と言う思いを持っていらっしゃる人が多い印象です。
もちろん全員がそうと言う訳ではないですが、割合的には高いです。
不安感を持っていらっしゃるお客様は、1秒でも早く不安感を無くして欲しいから、電話占いを利用されるのかも知れません。
私も一生懸命勉強して来た占いの知識で、誰かの役に立てるのは幸せな事だと思っています。
電話の向こうの震えるような怒った声が、少しずつ落ち着いて明るくなっていく時・・
「ホッとした」「元気が出た」「頑張ってみる」と言って頂けた時・・
本当に嬉しかったです。
何度もリピートして頂いて、お客様と二人三脚の様に問題解決に取り組み、苦しい状態から徐々に明るい兆しが見えてきて、一緒に喜び会う時などは、まるで長年の親友が幸せになってくれたような錯覚を覚える事も有りました。
それとは逆に、励ましても開運のアドバイスをお伝えしても、あまりに苦しすぎて行動できないお客様もいらして、「眠くなるまで何か喋ってね」と、呂律の廻らない口で仰って、お客様の返事が無くなるまで話し続けて、こちらからそっと通話を切る、というような事もありました。
それから、毎日電話をかけて来て「2年前に別れた彼の今の気持ちは?いつ連絡が来ますか?」と尋ねるお客様も。
「幸せになる道はただ1つだけ」と自分自身で自分を縛って、どんどん辛くなってしまっている感じです。こういう考えのお客様は電話占いでは結構いらっしゃいました。
電話占い師の告白
1つの思いに執着し過ぎて、自分の辛さを抱えることにいっぱいいっぱいで、問題解決する意欲が無くなるような事は、誰にでも有ると思います。
そして、電話占いを利用するお客様の中にも、そういう人はいらっしゃいました。
「絶対に想いは叶うから大丈夫。全て上手く行く。」という言葉が聞きたくて電話をかけて来られるのです。
そんなお客様に対して、私がどうお答えしていたか・・白状します。
「絶対に想いは叶うから大丈夫。全て上手く行く。」です。
いい加減な気持ちで上げ鑑定(良い事しか告げない鑑定をこう呼びます)をしたわけではありません。
傷つき過ぎて考えが凝り固まってしまっている人には、こう言わないと、その後の開運アドバイスを聞いて頂けないのです。
アドバイスも聞かず、現状を変える為の行動をしない限り、そのお客様は長い時間、同じ悩みで苦しみ続ける・・
自分の思い通りの答え以外、受け取る事ができなくて、耳障りの良い事だけを言ってくれる占い師を転々と探し続ける・・
そのループを止める事ができたら良いな、と思っていたのです。
だから、いったんは耳障りの良い事を伝えて、徐々に元気になって貰って、最終的には心穏やかに自分の幸せを掴んで貰いたい、と思っていました。
「結局はお客さんの役に立てるのだから!」と自分に言い聞かせながら 何とか心を奮い立たせて、良い鑑定結果に聞こえるように工夫して、時には鑑定結果を捻じ曲げて、伝えていました。
「いったんはお客様の期待通りの言葉を伝えよう。それがお客様の為になるんだから」と、頭をフル回転させ、鑑定結果に出来るだけ矛盾の少ない言葉を紡ぎ出していました。
占い師のジレンマと疲労感
けれど・・・
電話を切った後の疲労感。
自分が頑張って来た占いの勉強を自分で踏みにじっているような悔しさ。
そういうものを抱えながら、電話占い師を続けているうちに、私は心が疲れ切ってしまいました。
「長い時間かけてでも、自分の占いでこの人の悩みを解消してみせる!」という強い信念・・
「どんな理不尽なお客様であっても、お金が儲かるからこれでやっていく!」と割り切るタフさ・・
お客様の心にしっかりと届き、納得して頂けるような話力・・
そう言うものが当時の自分には欠けていたと思います。
占うのが辛くなる
私が占いの勉強を始めたのは運勢の仕組みが知りたかったから。
盤の中に隠された、その相談の核心を読み解けるようになりたかったから。
(もちろんそんな事は、おいそれとは叶う訳もなく・・長い勉強の道を今も一歩一歩辿っています。)
勉強するのが楽しくてたまりませんでしたが、真剣に占いの勉強をしようとすると、その授業料にはたくさんのお金がかかります。
勉強してきた事を役立てたい、もっといろんな案件を鑑定したい、勉強を続ける為のお金も必要だ、という思いがあり、電話占い師になりました。
しかし、電話占いで次から次にかかってくる電話に対応する為に、勉強の時間はどんどん削られましたし、勉強して出した鑑定結果をストレートに伝えられないケースがあまりに多いのです。
勉強する時間も無くなってしまい、占う事が苦しくなってしまい・・
私は電話占い会社を辞めました。
電話占い師をやって良かった事
電話占い師はタフな職業ですが、それでも「やって良かったな」と思う事も有ります。
一番目は、お金が稼げたことです。そのお陰で、私は勉強を続ける事が出来ました。勉強し続けたい、というのが私の願いですから、その為の金銭的な環境を整える事が出来ました。
電話占い師として、ある程度の収入を得られた経験で、金銭的な不安が無くなりました。
お金が必要になれば何時でもまたオーディションを受ければ良い、いざとなれば年金に頼らなくても、暮らして行く位のお金は稼げる、という自信は、私の残りの人生を軽やかにしてくれました。
二番目は、全員と言う訳にはいきませんが、お客様と心の交流が出来た事です。感謝も頂けましたし、自分が誰かの役に立てた、と思えるのは本当に有難い事です。
電話占い会社を辞めてしまえば、せっかく心が触れ合えたお客様との交流ができなくなるのは寂しかったですが、今も「どうされてるかな?幸せだと良いな」と顔を見た事も無いお客様の事を思い出します。
この日本のあらゆる所に、辛さを抱えながら頑張っている人が沢山いらっしゃる、自分1人が悩んでいる訳ではないという事は、頭では分かっていましたが、たくさんのご相談を受けた事で、腹に落とし込む事が出来ました。
これは本当に、今まで平凡で堅実な人生を送ってきた分、視野の狭い自分にとって掛け替えの無い収穫です。
電話占い師に向いている人、そして続けていく為に必要な事
占い師に求められるものはたくさん有ります。
自分の占術に対する信念や、心のタフさ、お客様を納得して頂く為の話力、占いの実力、生き方に対する哲学・・・等々
その上で、電話占い師に求められる物と、対面の占い師の求められる物では、優先順位が違ってきます。
電話占い師を続けていく為には喋りのスキルと心のタフさが不可欠だと思います。
生まれつき頭の回転が速くて喋るのが得意であるか、占い師としての喋り方の練習をした人。
そして心がタフである人。
こういう人は電話占い師に向いています。
少し辛口な事を言えば、鑑定の実力や鑑定に対する信念は、電話占い師の場合、優先順位は低いかも知れません。
いくら実力有る占い師さんであっても、悪い鑑定結果をストレートに伝えてお客様を傷つけてしまえば、決してリピートして頂けません。それは電話占い師としては致命傷です。
もちろん最終的には実力も信念も喋りのスキルも心のタフさも、兼ね備えていなければ電話占い師として働き続けることは難しいのですが、必要性に順番を付けるとすれば、喋りのスキルと心のタフさが上位に来るのではないかと思っています。
まとめ:電話占い師になろうかな?と思っている人へ
大急ぎでお金が必要な人は、自分で集客をするよりも電話占い会社に所属した方が断然早く収入を得られます。
その為にはまず、どこでも良いので電話占い会社のオーディションを受けて見る事。合格しなければ話は始まりません。
何度か不合格になったとしても、オーディションを受ける度に喋りの実力はついて来ます。オーディションの時には占いの技術はあまり関係ないかも、と個人的には考えています。
そして合格する為には、オーディションの時のお客様がどんな事を言ってきてもビビらない事。驚くほど意地悪なお客様を装う試験官もいらっしゃいます。ひるまずに応戦して下さい。
トライ&エラー&トライです。
- 電話占い師を目指しているけど何から始めたら良いのか分からない・・
- やってみたいけどなんだか怖い・・
- 現在電話占いで頑張っているけれど心が疲れてしまった・・
そういう人がもしもいらっしゃれば、ぜひご相談下さい。
お伝え出来る事が有ります。
コーヒーを淹れてお待ちしてます。
もちろんzoom鑑定もオッケーです。
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